原田昌彦社会保険労務士事務所コラム

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【2025年7月施行】年収130万円の壁を突破!「短時間労働者労働時間延長支援コース」を解説

1.導入:130万円の壁の現状と新制度の意義

年収130万円を超えると配偶者や親の扶養から外れ社会保険の被保険者となるため、パートやアルバイトなどの短時間労働者は「働きたくても働きづらい」ジレンマに直面してきました。2025年7月1日から施行される「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、この“壁”を越えた働き方を支援する助成金制度です。


2.制度の目的と創設背景

  • 自民・公明・維新の政党協議により、106万円の壁に次いで130万円の壁への対応が決定。
  • 有期契約や短時間労働者が社会保険未加入のまま働き続ける現状を改め、「壁」を意識しない環境づくりを支援 。
  • 現行の「106万円の壁」向け処遇改善コースに加え、より手厚い助成設計が行われました。

3.助成制度の概要

✅ 対象者・適用時期

  • 施行日:2025年7月1日〜2026年8月31日の暫定措置。
  • 対象者:有期契約・短時間労働者で“年収130万円の壁”を超え、社会保険加入に至る者 。

4.助成内容:2年間で最大75万円/人

▶ 1年目(初回の取組)

労働時間を週+5時間以上、または労働時間+賃金増加組合せで助成:

事業者規模 支給額(1人あたり)
小規模(~30人) 50万円
中小企業 40万円
大企業 30万円

▶ 2年目

  • さらに週2時間以上の労働時間延長、または基本給+5%以上、昇給・賞与・退職金制度の導入で助成:
事業者規模 支給額(1人あたり)
小規模 25万円
中小企業 20万円
大企業 15万円
▶ 累計支給額(1人あたり)
  • 小規模企業:75万円(50+25)
  • 中小企業:60万円(40+20)
  • 大企業:45万円(30+15)

5.本制度の特徴とメリット

  • 130万円の壁を越える働き方を支援:106万円の壁対策よりも手厚く設定
  • 2年間の継続的サポートで、職場定着とキャリアアップを促進
  • 規模に応じた差別化:小規模・中小企業ほど高い助成額

6.まとめ

2025年7月から施行される「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、130万円の壁に挑む企業と働き手を強力に支援する制度です。 助成額は最大75万円/人と非常に大きく、非正規雇用者のキャリア形成・定着にも資する内容です。 ぜひこの改正を踏まえ、パートタイマーやアルバイトの方の勤務時間拡大に繋げてください。


7.参考資料

雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案について(概要) https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000291452